ウナギは養殖できないって本当?その理由に迫る!

動物の雑学

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現在食卓にあがっているウナギは、川から取ってきた「天然物」か、ウナギの稚魚であるシラスウナギを育てて出荷した「養殖物」になります。

「養殖物」とは言っても、部分的な養殖はしていますが、卵から成体まで育てる完全養殖はしていないんです。

というより、完全養殖はできていないんです。

 

さて、ここで問題になるのがシラスウナギ。

これがどこから来るのか、そしてどうやって繁殖しているのか、何を食べているのか、どういった一生を辿るのかがわかれば完全養殖も出来るんです。

 

ウナギは養殖できないって本当?その理由に迫る!

ウナギの一生

養殖にはまずどこで産卵しているのか、そして卵の入手、研究が不可欠です。

そしてこれが長年の難問でした。

長い時間をかけて、ようやく見つけた産卵場所が西マリアナ海溝南部です。

ウナギは1年の中でもたった数日、限られた条件下でしか産卵しないことがより発見を難しくさせました。

 

そして日本から遙か遠くで産み付けられた卵から孵化したのが、レプトセファルス幼生(レプトケファルスとも言う)です。

レプトセファルス幼生はシラスウナギの前身で、透明で笹の葉のような形をしています。

 

やがて成長すると暖流に乗り日本周辺の沿岸にやってきます。

ここまで来る頃にはシラスウナギとなっていて、現在の養殖ではこのときに採取しています。

さらに川を遡上し、成長するとウナギとなります。

 

 

ウナギの完全養殖の歴史

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1960年代…養殖に向けての研究開始
1970年代前半…北海道大学にて人工孵化成功
2000年前半…水産総合研究センターにて受精卵からシラスウナギに育てることに成功
2008年…西マリアナ海溝で成熟したオスとメスを捕獲
2009年…卵を持ったメスを捕獲
2010年…水産総合研究センターにて完全養殖成功

 

こうしてみると1970年代に孵化が成功してから20年以上にわたってウナギを育てられていないのです。

いかに養殖が困難かわかるというもの。

 

ウナギ完全養殖の問題点

現在ウナギの完全養殖が成功しているにもかかわらず、普及できていないのは、飼育方法が難解かつ高度な設備や大量の機材を要求されるからです。

ようは採算が合わないので商売として成り立たないのです。

 

透明で小さなレセプトセファルス幼生を、水槽の水がえや入れ替えのときに、いちいち目視で確認できるかといわれたら…難しいんですね。

 

また、水槽の問題は技術の向上でなんとかなりますが、餌の問題があります。

レプトセファルス幼生の餌にアブラツノザメの卵を使うのです。

アブラツノザメは漁獲量が少なく、自治体によっては漁獲量規制が敷かれているところもあります。

貴重なサメの卵を乱獲して絶滅させてしまっては目も当てられませんので、代用餌の開発が求められています。

現在、他のサメの卵、例えばイタチザメやアイザメの卵や、もっとコスパの良い鶏卵が餌にならないか日々研究されています。

 

これらの問題をクリアすることでようやく完全飼育を普及させることが出来ます。

それにはまだ時間がかかりそうです。

 

 

さいごに

ニホンウナギはレッドリストの絶滅危惧IB類(EN)に登録されており、個体数減少に歯止めがかかっていません。

たとえウナギの完全養殖が成功し、普及したとしても、それが天然のウナギの個体数回復に繋がるわけではありません。

一度極端に減少してしまった資源はそう簡単に回復するものではありません。

そもそも漁獲を禁止しない限り、天然物は出回ります。

そして天然物と養殖物、どちらを買いたいと言えば、値段に大差が無ければ天然物を選ぶのは自然なことです。

養殖は設備にコストがかかるためそこまで値段を下げることは出来ません。

よっぽど大量生産できない限り値段と価値では天然物に負けてしまいます。

結局天然物を消費することになり、個体数回復どころか減少してしまいます。

 

ウナギの安定的供給、資源の保護の目的で完全養殖を確立しようとしているのですから、こういった問題にも同時に目を向けなければいけないのです。

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